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民間建築物の吹き付けアスベスト対策 未実施が5,615棟 国交省の調査

2009-01-07 (水)

国土交通省は、建築物の防災に関する各種調査結果(08年9月16日時点)をまとめた。民間建築物の吹付けアスベスト調査では、計5615棟で吹き付けアスベストが露出したまま除去や封じ込めなどの対策が施されていないことが判明。窓ガラスの地震対策や外壁材の落下防止対策などについても、問題のある建築物が多数見つかった。

吹き付けアスベスト調査の対象は、1956~89年までに施工された、延べ床面積約1,000平方㍍以上の大規模な建築物27万3266棟。都道府県からの報告によると、露出してアスベストが吹き付けられている建築物は1万5,991棟あり、このうち指導により対応済みの建築物は9,226棟、対応予定の建築物は1,150棟となった。

窓ガラスの地震対策については、ガラスの落下による災害の危険性が高い3万7,733棟を対象に調査。告示の基準に適合していない建築物は1,205棟あり、このうち改修済みは699棟、改修予定は57棟で、449棟は改修のめどが立っていなかった。

外壁材の落下防止対策については、落下などにより危害を与える恐れがあるとされた2万3,195棟を対象に調査し、1,254棟で落下の恐れがあることが判明。ただし、5551棟は対策済み、301棟は対策予定となっている。

天井の崩落対策については、体育館や屋内プール、劇場など大規模空間を持つ2万1,751棟が調査対象となり、技術指針と比較して問題のある建築物が4,927棟見つかった。このうち、崩落対策済みが817棟、対策予定が621棟となった。

一連の調査は、秋の建築物防災週間(8月30日~9月5日)に合わせて毎年実施している。